023 三脱の教え
相手を思いやる江戸しぐさ 023
「三脱の教え」(さんだつのおしえ)
身分制度にこだわらないつき合い!
江戸時代には「士農工商」という身分制度があり、武士と農民、町人がきっちりと分けられていた。
ところが経済の発展から町人の力が強くなり、武家の権威が落ちてきた。
そんな社会になると、身分制度にこだわらない風潮が生まれた。
銭湯などでは武士でも町人と同じ扱いを受け、湯船では武士と町人が普通に喋った。
威張りかえるという武士の姿はなかった。また塾や講などでも、武士と町人が同じ机を並べて研鑽した。
こういう場所では、年齢も職業の身分も何も聞かなかったのである。
これを「三脱の教え」といい、人間として対等に付き合うという姿勢をさした。