019 駕籠止めしぐさ
相手を思いやる江戸しぐさ 019
「駕籠止めしぐさ」(かごどめしぐさ)
力をひけらかさない江戸の心配り!
駕籠は江戸でも高級な乗り物のひとつでした。
医者や大店の主人、お金を持っている隠居など、利用する人は限られていた。
商売を始めた者にとっては、いつかは・・・駕籠に乗れる身分を夢見た。
だからといって、駕籠にのれるほど出世しても、それを誇示しなかった。
駕籠に乗って訪問するときは訪問先の玄関まで駕籠を付けず、少し手前で駕籠を降り、
歩いて訪問したのである。
あくまでも控えめに、相手に敬意をもって接していた江戸商人の振る舞い方のひとつである。