015 年代しぐさ
相手を思いやる江戸しぐさ 015
「年代しぐさ」(ねんだいしぐさ)
頼りにされた町のご隠居さん!
儒教の教えが行き渡っていた江戸の町では、年代に応じたしぐさがあった。
孔子の年代の分け方とは、
15歳が志学と言って何を成すのか志を立てるとき。
30歳は而立と言って仕事で独立をするとき。
40歳は不惑と言って何事にも惑わないとき。
50歳は知命と言って人生をしっかりと分かるとき。
60歳は耳順と言って耳にすることは全て理解するだけの教養を持つとき。
とされ年代に応じてさまざまなしぐさがあった。
歩き方一つを取っても、志学の人は速歩を旨とし、
而立の人は左右に注意しながら注意深く歩く。
歳を取るごとにゆっくりゆったり歩くのが基本だった。
60歳以上になると人生の先輩として毎日を楽しく、はつらつと生き、
年下の人に注意だけでなく、ユーモアを持って接した。
年長者に対する敬意の精神が基盤にあった。